この記事でわかること

  • LEDディスプレイのカスタム開発で自由に設計できる範囲
  • ピッチの選定が視認距離によって変わる理由
  • サイズ変更時に注意したい重量・電源設計のポイント
  • 開発が要件定義から量産までどのような流れで進むか

既製品のLEDディスプレイでは要件が合わない。

そうした場合に検討すべきカスタム開発・OEM開発の考え方を、この記事では整理します。

1. サイズ・形状・ピッチを柔軟に設計できる

既製品のLEDディスプレイは規格化されたサイズ・仕様の中から選ぶことになりますが、カスタム開発であれば、設置場所や用途に合わせてサイズ・形状・ピッチを柔軟に設計できます(LEDモジュールの寸法や選択可能なピッチには一定の制約があります)。

カスタム開発で調整できる主な項目

  • ディスプレイの サイズ・縦横比
  • 設置形状(曲面・分割設置など)
  • ピッチ(LED素子の間隔)

既製品にはない自由度がある一方で、選択肢が多いからこそ、用途や設置環境に合わせて優先順位を整理しながら仕様を決めていく必要があります

ギガテックの対応事例(屋内設置用LEDディスプレイ)

ギガテックでは、屋内設置向けに、W1,920mm×H800mm、ピッチP2.5のLEDディスプレイをカスタムした事例があります。

この案件では、「既製品の何インチを設置するか」という考え方ではなく、まず設置スペースの有効寸法を起点に、LEDモジュールの構成を検討しました。

そのうえで、視認距離・必要な精細度・表示するコンテンツ・全体重量・電源容量・メンテナンス性などを確認しながら、サイズやピッチ、全体の構成を決定しました。

2. ピッチの選定は視認距離によって決まる

ピッチ(LED素子同士の間隔)は、画質のきめ細かさに直結する要素です。ピッチが細かいほど高精細になりますが、見る距離によって必要な精細さは変わります

ピッチを検討する際の考え方

  • 近距離で見る用途(店内サイネージなど):細かいピッチが適している
  • 遠距離から見る用途(屋外広告・スタジアムなど):比較的粗いピッチでも十分な視認性を確保できる場合がある

ピッチは細かいほど高精細な表示が可能になりますが、想定する視認距離に対して細かすぎるピッチを選ぶと、必要以上にコストがかかる場合があります。

そのため、求める画質とコストのバランスを考えながら、実際の視認距離や用途に合わせて選定することがポイントです。

用途に合わない選定は、画質のオーバースペックやコスト増につながるため注意が必要です。

ギガテックの対応事例(自動ドアの透明LEDサイネージ)

ギガテックでは、自動ドアのガラス面をそのままサイネージとして活用する透明LEDの案件で、P3.91とP6.25の2種類を比較して提案した事例があります。

透明LEDの場合、ピッチや解像度だけで仕様を決めるのではなく、次のような条件を総合的に確認する必要があります。

  • どの程度の距離から見るのか
  • ガラスとしての透過性をどこまで確保するのか
  • 表示コンテンツにどの程度の鮮明さが求められるのか
  • ドアの開閉に影響しない重量・厚みになっているか
  • 電源・制御機器・配線をどのように配置するか
  • どのような方法で施工するか

ピッチを細かくすると、より高精細な表示が可能になる一方で、透過性やコストとのバランスも考える必要があります。

そのため、視認距離・表示品質・透過性だけでなく、設置条件や施工性、コストまで含めて比較し、その場所や用途に合った仕様を決めていきます

3. サイズを変える場合は重量と電源設計に注意

既製品サイズにとらわれずに設計できる一方、パネルを組み合わせて大型化する場合は、重量や電源設計への配慮が必要になります。

サイズ変更時に確認したいこと

Check

  • パネル全体の重量と、設置場所の耐荷重
  • 消費電力の増加に対応できる電源設計になっているか
  • 輸送・施工のしやすさ(分割搬入が可能かなど)

屋外に設置する場合は、耐寒熱性能や防塵防水性能(IP65など)、紫外線による劣化への耐性といった環境耐性もあわせて確認しておきたいポイントです。

ギガテックの設計の強み

ギガテックの強みは、既製のLEDディスプレイを選定して販売するだけではなく、設置条件や用途を起点に、表示に必要な仕組み全体を設計できることです。

LEDディスプレイは、LEDモジュールだけで製品として成立するものではありません。実際の導入にあたっては、以下のような要素を一つのシステムとして考える必要があります。

  • LEDモジュール・ピッチ
  • 電源
  • 受信カード・制御システム
  • 筐体・フレーム、放熱、配線
  • 設置・施工方法、メンテナンス方法
  • 必要に応じたCMSや外部システムとの連携

ギガテックでは、「どこに、どの大きさで、どの距離から、何を表示したいのか」という要件から整理し、それに合わせてLEDモジュールやピッチ、筐体、電源、制御システムなどを組み合わせていきます。

たとえば自動ドアへの透明LEDの提案でも、パネルを選定するだけでなく、ドアの寸法やガラス面、透過性、重量、厚み、配線、電源、制御、施工方法まで含めて検討しています。

4. 開発は要件定義・試作・検証・量産の順に進む

LEDディスプレイのカスタム開発は、思いつきで進めるのではなく、段階を踏んで進めることで手戻りを防げます。

既存モジュールを活用したカスタムか、筐体・制御まで新規で設計するかによって、必要な期間は大きく変わります。

開発の主な流れ

  • 要件定義:設置環境・視認距離・予算などの条件を整理する
  • 設計・試作:条件をもとに構成を設計し、試作機を製作する
  • 検証:実際の設置環境に近い条件で動作・視認性を確認する
  • 量産:検証結果をもとに量産へ移行する

段階ごとに確認すべきことを整理しておくことで、量産直前になって仕様の見直しが発生するといった事態を避けやすくなります。

5. 既製品とカスタム開発はどちらを選ぶべきか

既製品とカスタム開発、どちらが適しているかは、要件・予算・開発期間のバランスで判断します。

既製品が向いているケース

  • 標準的なサイズ・設置環境で十分要件を満たせる
  • 短納期で導入したい

カスタム開発が向いているケース

  • 設置場所の形状・サイズに制約がある
  • 特殊な視認距離・環境条件がある
  • 長期的な運用を見据えて最適な仕様にしたい
比較項目既製品カスタム開発
サイズ・ピッチの自由度規格化されたサイズ・ピッチの中から選ぶ設置環境や視認距離に合わせて柔軟に設計できる
コスト比較的抑えやすい仕様により変動するが、無駄なオーバースペックを避けやすい
納期短納期で導入しやすい要件定義から量産まで一定の開発期間が必要
向いているケース標準的な設置環境で要件を満たせる場合設置場所に制約がある、特殊な条件がある場合

判断に迷う場合は、要件を整理したうえで、既製品とカスタム開発の両方を比較検討することをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

Q. 既製品からカスタム開発への変更は、開発途中でもできますか?

A.変更のタイミングによって影響範囲が異なります。要件定義の段階であれば比較的柔軟に対応できますが、試作以降は仕様変更の影響が大きくなるため、早めのご相談をおすすめします。

Q. 小ロットでもカスタム開発は可能ですか?

A.ロット数によって適した生産体制や単価が変わりますが、小ロットからのご相談にも対応可能です。まずは想定規模を含めてご相談ください。

Q. ピッチが細かいほど良いのでしょうか?

A.一概には言えません。視認距離に対してピッチが細かすぎると、コストに見合った効果が得られない場合があります。用途に応じた選定が重要です。

これまでに対応してきた仕様の例

  • 屋内設置用LED:W1,920mm×H800mm/P2.5
  • 透明LED:P3.91
  • 透明LED:P6.25(自動ドアのガラス面を活用したカスタム提案)

対応可能なサイズやピッチについて、固定の範囲を設けているわけではありません。

使用するLEDモジュール・設置環境・視認距離・用途・筐体構造・電源条件・施工条件・数量などによって最適な構成が変わるため、案件ごとの要求仕様から最適な表示デバイスと構成を選定しています。

6. まとめ:LEDディスプレイのカスタムはサイズとピッチの設計で決まる

LEDディスプレイのカスタム開発を成功させる鍵は、視認距離・設置環境・予算に応じたサイズとピッチの選定にあります。

既製品で対応できない要件がある場合は、開発の流れを理解したうえで、早い段階から相談を進めることが手戻りを防ぐポイントです。

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開発前に整理しておきたいサイズ・仕様の確認事項

LEDディスプレイのカスタム開発をご検討の際は、以下の点を事前に整理しておくとスムーズです。

  • 必要なサイズ・設置場所(屋内・屋外)
  • 想定する視認距離
  • 量産規模
  • 開発予算感

これらを整理しておくことで、開発内容のご相談を進めやすくなります。

こんなLEDディスプレイのお悩み、ありませんか?

以下のようなお悩みをお持ちの場合は、お気軽にご相談ください。

  • 既製品ではサイズが合わない
  • 屋外用のピッチ選定に迷っている
  • カスタム開発の相場感がわからない
  • 開発の進め方がイメージできていない

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