
この記事でわかること
- カスタム液晶・特注LCDモニターにはどのような種類があるか
- 業界の導入事例と、ギガテックが対応している特注仕様
- 用途・設置環境から考える特注仕様の選び方
- 特注サイネージの導入を検討する際に確認すべきポイント
近年、デジタルサイネージの多様化が進み、設置場所や目的に合わせてモニターのサイズや形状をカスタマイズできる「特注仕様」の需要が高まっています。
標準サイズの液晶ディスプレイでは対応しきれなかったスペースや演出要件が、カスタム液晶(特注LCD)モニターによって実現できるようになり、より高い広告効果や空間演出が期待されています。

本記事では、特注仕様のデジタルサイネージの種類や導入事例、選び方のポイントに加え、ギガテックが実際に対応・提案している特注仕様についてもご紹介します。
1. カスタム液晶・特注LCDモニターとは
カスタム液晶(特注LCD)モニターとは、設置環境や利用目的に応じて、サイズ・形状・機能などをカスタマイズできるディスプレイのことです。
標準的な16:9のモニターでは対応しきれない設置スペースや演出要件に対して、以下のような特注仕様で対応します。
- 縦長・横長の特殊サイズ:柱巻きや天井吊り下げなど、設置場所に合わせたアスペクト比で設計
- スクエア(正方形):ショーケース内や情報端末など、1:1のアスペクト比が求められる用途向け
- 湾曲ディスプレイ(曲面型):曲面の壁面や什器に沿って設置する特殊形状のカスタム液晶。対応可能なパネル種類や曲率には条件があり、要求仕様を確認したうえで実現可能な構成を検討します
- 大型壁掛け・マルチディスプレイ:複数パネルを組み合わせて大画面を構成するタイリング方式
- 屋外対応・防塵防水仕様:周囲照度や直射日光の条件に応じた高輝度パネルの選定と、設置環境に応じたIP等級を含む防塵・防水設計
- タッチパネル付き:来場者が直接操作できるインタラクティブなサイネージ
液晶の特長である高精細表示と安定した視認性を活かしながら、設置環境に合わせた設計を実現できるため、商業施設や展示会、交通機関、公共施設など幅広いシーンで導入が進んでいます。
ただし、LCDにはパネル、製造条件、解像度等の制約があるため、「何でも自由に作れる」というわけではありません。用途や設置条件を確認し、実現可能な構成を検討することが重要です。

2. 特注仕様のデジタルサイネージ:業界事例とギガテックの対応
業界での導入事例
特注仕様の液晶サイネージは、さまざまな業界で導入が進んでいます。以下は業界全体の公開事例です。
Osaka Metro駅構内のAI対応案内サイネージ
Osaka Metroでは、駅利用者の利便性向上を目的に、AIを活用した案内サイネージを御堂筋線の梅田駅・新大阪駅に導入しました。
- 対応言語:日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語の5言語
- 主な機能:駅周辺案内、駅構内案内、交通乗場案内、乗換案内
- AI活用:利用者の検索傾向を学習し、よく使われる項目を優先表示
駅の案内機能に特化した設計で、多言語対応と直感的な操作性を両立した事例です。
商業施設における大型液晶サイネージ
大規模ショッピングモールでは、施設内の広場に高輝度液晶サイネージを設置し、視認性の高い映像コンテンツを発信する事例が増えています。
地域情報や店舗紹介、来場者参加型コンテンツなどの配信に加え、災害発生時に緊急情報へ切り替える仕組みを備えた事例もあります。
公共施設での屋外対応液晶サイネージ
公共文化施設では、屋外の来訪者に向けた情報発信手段として、高輝度・防水仕様の屋外対応液晶ディスプレイを導入した事例があります。特注筐体に収め、施設前広場に設置することでイベント情報や施設案内を掲示しています。
ギガテックが対応・提案している特注仕様
ギガテックでは、上記のような業界ニーズに対して、以下のような特注仕様のLCDに対応・提案を行っています。
- スクエア(正方形)LCD:通常の16:9ではなく、研究開発用途など特殊なアスペクト比が求められるケースで、パネル選定から開発対応
- 湾曲LCD:一般的な平面ディスプレイでは実現しにくい曲面形状への対応。パネル種類や曲率には条件があるため、要求仕様を確認したうえで実現可能な構成を検討
- 特殊サイズLCD:既製品では見つけにくいサイズについて、外形寸法だけでなく、表示エリア、解像度、視認距離、輝度、入力信号なども含めて検討
これらの対応において、当社の特徴は、単に既製LCDを仕入れたり、パネルを特殊サイズに加工したりするだけではなく、用途・設置条件から表示デバイスそのものを検討できる点です。
必要に応じて制御基板、ファームウェア、通信、CMS等まで含めて一体で開発できるため、「パネル単体ではなく、製品全体として成立させる」設計が可能です。

3. 用途・設置環境から考えるカスタム液晶の選び方
特注仕様の液晶サイネージは、種類が多いだけに「何を基準に選べばよいか」が分かりにくいという声も少なくありません。ここでは、用途と設置環境の2つの軸から、選定時に押さえておきたいポイントを整理します。
設置環境による選定ポイント
- 屋内か屋外か:屋外設置の場合は、周囲照度や直射日光の条件に応じた高輝度パネルの検討と、設置環境に応じてIP等級を含む防塵・防水性能の設定が必要です。LCD単体ではなく、筐体、シーリング、放熱、ケーブル引き込み部などを含めた製品全体として防塵・防水を検討します
- 設置スペースの形状:柱巻き・天井・壁面など、設置場所に応じて縦長・横長・湾曲(特殊形状)・スクエアなどのカスタム液晶を選定します
- 周囲の照明条件:直射日光が当たる場所では、反射防止処理やフロントライト設計も検討対象になります
- 大型表示の方式:大型表示が必要な場合は、LCDを無理に大型化するだけでなく、既存パネルの活用、複数パネル構成(タイリング)、LED等も含め、用途に適した表示方式を検討します
用途による選定ポイント
- 情報案内・ナビゲーション:多言語対応、タッチパネル操作、AI連携など、システム面の設計が重要
- 広告・販促:高精細表示や大型化による視認性の確保がポイント
- 緊急情報配信:通常コンテンツから緊急情報への自動切替が求められるケースもあります
CMS連携、多言語表示、緊急情報割り込み等についても、すべてが既存製品の標準機能として備わっているわけではありません。要求仕様に応じてシステム連携を含めて設計・検討していく形になります。
このように、「どこに」「何のために」設置するかによって、最適な特注仕様は大きく変わります。要件を整理したうえで相談することで、過不足のない仕様設計がしやすくなります。
| 特注仕様の種類 | 主な特徴・設計ポイント | 代表的な用途・活用シーン |
|---|---|---|
| 縦長・横長(特殊サイズ) | 設置スペースに合わせたアスペクト比で設計 | 駅構内の案内サイン、商業施設の柱巻き |
| 湾曲ディスプレイ(曲面型・特殊形状) | パネル曲率の制約確認、筐体側での対応も | ショールーム、展示会ブース、什器組込 |
| スクエア(正方形) | 1:1比のパネル選定・特注設計が必要 | 店舗ショーケース、受付端末 |
| 大型・マルチディスプレイ | 複数パネルのタイリング構成 | ショッピングモール広場、空港 |
| 屋外対応(防塵防水・高輝度) | 設置環境に応じた防塵・防水性能、高輝度パネル等を検討 | 公共施設前広場、交通機関、屋外看板 |
| システム連携型 | CMS連携、多言語UI、緊急情報割込み制御 | 駅・空港のインフォメーション |
4. 特注サイネージの導入を検討する際に知っておきたいこと
特注仕様のカスタム液晶サイネージは、標準品と比べて「何をどこまでカスタムできるのか」が見えにくいため、検討の初期段階でつまずくケースも少なくありません。スムーズに進めるために、事前に押さえておきたいポイントをまとめます。
POINT
- 設置環境の情報を整理しておく:屋内か屋外か、設置面の素材や形状、電源の有無など、現場の条件を共有できるようにしておくと、設計がスムーズです
- 表示コンテンツの運用方法を決めておく:静止画か動画か、更新頻度はどの程度か、遠隔管理が必要かなど、コンテンツの運用イメージがあると仕様に落とし込みやすくなります
- 既存システムとの連携有無を確認する:多言語切替、緊急情報割り込み、CMS連携など、ソフトウェア面の要件も早い段階で共有しておくと手戻りを防げます。
これらは要求仕様に応じて設計・検討する領域のため、「こういうことがしたい」というレベルで早めに相談いただくことが重要です - 納期・数量について:試作・研究開発用途の小ロットから量産まで、仕様に応じて個別に検討する形になります。
特に、既存パネルを利用した筐体・制御等のカスタマイズと、特殊形状のLCDそのものを新規開発する場合では開発期間が大きく異なります。
LCDそのものの新規開発については、パネルメーカー側の最低発注数量や開発条件も関係するため、納期・最低数量はカスタム範囲やパネル仕様を確認したうえで個別にご提示します
なお、標準パネルを「カット」してサイズ・形状を調整する方法もあります。詳しくは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
液晶モニター異型サイズにも対応する特注カットサービスのご案内
液晶モニターは今や16:9が主流ですが、 「限られたスペースに収めたい」「特殊形状のディスプレイが必要」 といったニーズは年々増えています。 高精度加工により、他社では難しい異型サイズや曲面ディスプレイも小ロット・短納期 […]

よくある質問(Q&A)
Q. 標準サイズの液晶と特注サイズでは、コストはどのくらい違いますか?
A.変更する内容(サイズ調整のみか、筐体・通信・ソフトウェアまで含むか)によって大きく異なります。サイズの微調整程度であれば標準品と大きな差が出ないケースもありますが、屋外防水仕様や大型タイリングなど対応範囲が広がるほどコストも上がる傾向です。まずは要件を整理してご相談ください。
Q. 湾曲(曲面型)や特殊形状の液晶ディスプレイも対応できますか?
A.対応可能なケースがあります。ただし、対応可能なパネル種類や曲率等には条件がありますので、要求仕様を確認したうえで実現可能な構成を検討します。液晶パネルの曲面加工だけでなく、筐体側の設計で特殊形状に対応する方法もあります。具体的な形状や設置環境をご相談いただければ、最適な構成をご提案いたします。
Q. 既存のコンテンツ管理システム(CMS)と連携できますか?
A.要求仕様に応じて検討可能です。すでにお使いのCMSとの連携や、多言語対応・スケジュール配信・緊急情報割り込みなどの機能も、要求仕様に応じてシステム連携を含めて設計できます。CMS連携が必要な場合は、検討の早い段階でご相談いただくのがスムーズです。
5. まとめ
カスタム液晶(特注LCD)モニターによるデジタルサイネージは、設置環境や用途に応じた設計が可能です。
縦長・横長の特殊サイズ、スクエア(正方形)、湾曲(特殊形状)、屋外防水対応、大型マルチディスプレイなど、標準品ではカバーしきれないニーズに対して、要求仕様を確認し、既存技術を活用する部分と個別開発する部分を判断したうえで、ハードウェア、制御、通信、筐体、システムまで含めて製品として成立させる――これがギガテックの開発スタンスです。
導入検討の初期段階から設置環境の情報やコンテンツの運用イメージを整理しておくことで、過不足のない仕様設計につながります。
特注サイネージ導入前に整理しておきたい確認リスト
- 設置場所の環境条件(屋内/屋外、設置面の形状・素材、電源の有無)を把握できていますか
- 必要なディスプレイサイズ・形状(縦長、横長、湾曲、スクエアなど)の方向性がありますか
- 表示コンテンツの種類(静止画/動画)と更新頻度のイメージはありますか
- 多言語対応やCMS連携など、ソフトウェア面の要件は整理できていますか
- 想定している導入時期・数量の目安はありますか
こんな液晶サイネージのお悩み、ご相談ください
- 設置スペースに合うサイズのディスプレイが標準品にない
- 屋外設置に対応できる防水仕様のサイネージを探している
- 小ロットでも特注対応してくれるパートナーが見つからない
- 特注品の概算コストや納期感だけでも先に知りたい

特殊サイズ・形状のLCDも、
試作から量産まで見据えた設計を。
その特注LCD、「外形寸法」だけで決めていませんか?
特殊サイズ・スクエア・湾曲などのLCDは、次の点を合わせて検討することが重要です。
- 表示エリア・解像度・視認距離・輝度が用途に合っているか
- 筐体・放熱・電源が設置環境に対応しているか
- パネルの最低発注数量や開発条件が、試作・量産の計画に合っているか
ギガテックグループは、用途・設置条件から表示デバイスそのものを検討し、制御基板・筐体・システムまで一体で開発。
要求仕様が固まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。

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