LEDビジョンを選ぶ際のチェック項目

LEDサイネージは使用用途や設置場所、コンテンツを見せたい対象者とビジョンとの距離などによって、導入に適したLEDサイネージのスペックが変わります。今回はLEDビジョンを選ぶ際に抑えておきたいチェック項目を紹介します。

LEDのピッチ

▲RBGが一緒になったLED素子を表面にハンダ付けしているLEDビジョン表面

LEDビジョンは小さなLEDチップを等間隔に並べ、光らせることで映像を再現します。LEDビジョンとビジョンを見る対象者には映像を見るための適切な距離が必要で、その距離を視認距離と呼びます。一般的に視認距離はピッチ数(mm)に1.16をかけることで割り出すことができます。

例えば、ピッチ3mmの場合3(mm)×1.16=3.48(m) という計算になり約3.4mがLEDビジョンを見るのに適した距離、と言うことができます。逆にLEDビジョンと見る人の距離が3mある場合は3(m)÷1.16=2.58(mm)でピッチ2.5のLEDビジョンが必要だとわかります。

LEDビジョンをビルの上に設置して遠くからでも見えるようにする場合と、通路の壁面などに設置し歩行者がその近くを歩く場合とでは、視認距離に大きな差がある、すなわちピッチにも大きな差が出ます。

一般的に室内設置の場合、ピッチ6mm以下のパターンが多いと言われています。

映像の美しさ重視のアート関連イベントや、細かい文字まで再現したい、といった場合にはピッチ2mm以下のより綺麗な映像を流せる高精細タイプのLEDビジョンもあります。コンテンツの再現度もピッチ決定を左右します。

ピッチ数の大きさは価格にも影響してきます。一般的にピッチ数が小さくなるほど、価格は上がります。

屋内用か屋外用か

チェック項目の中で重要なのが、使用場所です。屋外で使う場合、屋外に適したスペックのLEDビジョンを選ぶ必要があります。屋外用の方がLEDビジョンのスペックが高くなるため、価格も高くなります。

輝度

LCDよりも明るい光を放つLEDビジョン。室内用のLEDビジョンの明るさを表す輝度は3000〜5000cd/㎡が一般的です。液晶ビジョンの輝度がが300~3000cd/㎡なので、LEDビジョンの方がより明るく鮮明に画像や映像を映し出します。ただし、窓際での利用や屋外での利用の場合は、太陽光に負けないように、さらに高い輝度が必要です。屋外用の輝度は約5000〜10000cd/㎡です。

耐性

水場や屋外での利用の場合、ビジョンに防水性・防砂塵性を持たせる必要があります。IPで示される国際的な防水等級を確認しましょう。屋外用のLEDパネルだとIP65以上のものが一般的です。また、海辺などで設置するには防塩加工を備えたものを選びます。さらに屋外では夏の日差しで高温、冬は低温になる可能性があるので、その環境下でも稼働するスペックが必要です。基本的に屋外用には耐熱性、防水性、防砂塵性、耐衝撃性が備わってあり、強靭なパネルが多いです。屋外用にはちゃんと屋外用を選ぶようにしましょう。また、室内への設置であっても工場内など過酷な環境下で使用する場合は、屋外用を選ぶ必要があります。

▲プールのイベントスペースに設置されたLEDビジョン。もちろん雨が降っても大丈夫

視認距離

建物内と違い、屋外ではその視認距離も様々です。基本、屋内で使うLEDビジョンは表面実装型(SMD)と呼ばれるRBGが一緒になったチップを表面に実装しています。視認距離が10m以上になると、より強い光を遠くへ届けるために、RBGがそれぞれ独立して砲弾のように並んだ砲弾型と呼ばれるLED素子をパネル表面に実装したビジョンを採用することが多めです。交通標識やスポーツ会場での電光掲示板などに利用されているのは砲弾型のLEDビジョンです。

▲RGBが独立した砲弾型

ユニットの大きさ

LEDのユニットをビジョンとして組み立てる際、製図とのサイズが合うかどうかといったポイントもあります。

基本LEDビジョンは、定型のLEDパネル(あるいはユニット)を組み合わせて1つのビジョンにします。例えば製図(実際に欲しいサイズ)が横の長さが100cmのビジョンだった場合、横の長さ30cmのLEDユニットを3つ並べても90cmにしかなりません。

製図と実際に作るビジョンとの大きさに差異が出ることがあります。

①妥協してサイズを変更する、②パネルはメーカーによって1ユニットのサイズが違うため、欲しいサイズと同じになる、またはサイズがもっと近くなるほかのLEDパネルを探す、③完全カスタマイズ品として、欲しいサイズをオーダーする、といった解決方法が挙げられます。カスタマイズは対応しているところが限られるでしょう。

◀︎パネルを並べて1つのLEDビジョンに

メンテナンス方法

LEDビジョンのメンテナンスはビジョン前面からできるもの、後面からできるもの、その両方から可能なものがあります。設置場所にはどのタイプが都合がいいのか、確認をしておく必要があります。ビジョンの裏側からしか修理するスペースが取れないのに、前面メンテナンスタイプのLEDビジョンを導入しては修理ができなくなってしまいます。

 ◀︎前が外れてメンテナンスできるタイプのLEDパネル

LEDビジョン以外のアイテム

LEDビジョンを利用するためには、本体だけでなくLED送信機や映像を再生するために使うSTBといったアイテムも必要です。また、予約配信や一斉配信などをする場合は、あらかじめ配信管理できるソフトやアプリも必要になります。どういうコンテンツをどういった方法で流したいのか、把握しておきましょう。

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