LEDとLCDの違い
LCDとは?
LCDとはLiquid Cristal Disprayの略で、日本語に直釈すると「液晶ディスプレイ」です。液晶は液体と個体の両方の性質を持った物質で、電気を流すと分子が動きます。液晶ディスプレイは、光源により発せられた光を、電気刺激で分子を動かすことによって部分的に遮ったり透過させたりすることによって画像の表示を行います。そのため映像を見るには液晶の他に光源となるバックライト、偏光フィルター、カラーフィルター、ガラス基盤など、様々な要素がサンドイッチ状に液晶を挟んでディスプレイが構成されています。
LEDとは?
一方、LEDとは「Light Emitting Diode」の略で、日本語に直訳すると「発光ダイオード」です。電気を流すと発光する半導体の一種で、LEDディスプレイはこのLEDを搭載しています。光の三原色である赤、緑、青に発光するLEDをディスプレイに敷き詰め、LEDが発する光でフルカラーを表現しています。
画面の明るさ
光源自体の明るさを示すものを「輝度(きど)」と言います。LCDはバックライトの光で照射されていますが、LEDディスプレイはそれ自体が光るため、輝度(きど)はLEDディスプレイの方が高めです。輝度を表す単位をカンデラ(単位表記はcd)と言いますが、LCDは通常約700カンデラ、比べてLEDは低くても1200カンデラ以上あり、輝度がLCDと比べ10倍のものもあります。明るいためLEDの方が視認性が高く、画面がくっきりと見えて存在感があります。日光の下でも見えるため屋外設置にも向いています。もちろん屋外用に合わせ輝度を上げた業務用LCDもありますがより高価になります。LCDは画面が反射しやすいです。
またLEDは一定範囲で輝度の調整が可能です。例えば日中は輝度100%に設定し、夜は眩しさを抑えるため輝度を60%へ変更、などコントロールすることができます。センサーと連動させ、自動調整ができることもあります。
画面の大きさ
LCDは一般的にテレビと同じようなサイズ展開をしているため、大きさはインチ、あるいは型で表現されることが多いです。基本は縦横16:19、あるいは16:10の比率ですが、業務用に作られたモニターはその比率を盗取してないこともあります。一方LEDサイネージはパネルやユニットを組み合わせて構成されるため、大きさや形状は比較的自由に決めることができます。R型と呼ばれる曲面や円型、星形など、場所やイメージに合わせた形を作成することもできます。
大型の画面を作る場合、LCDは小さいモニターを組み合わせてマルチモニターとして大きく見せることが多いようです。そのためビジョンにはモニターの縁であるベゼルが入り、線のように見えてしまいます。線が目立たないようにベゼル部分の幅が狭いものや、もちろん画面自体が大きいLCDもありますが、その分価格が上がります。LEDにはベゼルがないため、画面が枠で邪魔されることがありません。また、液晶のように決まったモニターサイズの比率にも縛られず、上下左右自由に拡張できます。
色の再現性
種類にもよりますが、現在はLCDでもLEDディスプレイでも4K、8Kの映像放映が可能なものもあり、高精度な画像にどちらも対応できています。LEDディスプレイの方がコントラスト比が液晶よりはるかに高く、広く色の再現幅を持つため、人の目に見るのに近い自然な色合いが表現できると言えます。
耐久性
LCDは寿命が3万時間ほどと言われています。一方LEDは一般的に高寿命のため、「映らなくなる」のではなく「明るさが初期値の70%に落ちる」ことを設計上の寿命とし、約10万時間とされています。1日24時間の使用でLCDは約3年、LEDディスプレイは約11年を耐用年数として考えることができます。
メンテナンス性
LCDは不具合がある場合、ディスプレイ全体を修理しなければなりませんが、LEDディスプレイはパネルやバーなど部分パーツごとに取り外しができるため、部分的な修理が簡単です。替えのパネルが用意できれば、修理している間も通常通りの放映を行うことができます。
設置場所
LCDは基本屋内の使用が推奨されています。また、ディスプレイ上に人など重いものを乗せることができません。LEDディスプレイは種類によっては床や天井などにも設置が可能です。屋外用LEDディスプレイは国際的な防水・防塵規格の保護等級がIP65に達するものが一般的で、潮の影響がある場所や粉塵の舞う場所、カンカン照りや大雨の環境でも正常に運用できます。
価格
2020年の段階では、TVとして使うような比較的小型のサイズであればLCDがLEDディスプレイより安価です。90インチ、100インチのような大型のサイズになると、液晶の量産体制ができていないため、LCDも価格が高めになります。LEDディスプレイはその性能の良さから、価格は高めと言われています。種類や性能、サイズなど、それぞれに幅がありLCDより価格の設定が難しく、そのため価格を公開している販売業者は多くはありません。一般的に欲しいスペックやサイズ、イメージを業者に伝えて見積もりを取るのが一般的になっています。