2023.5.5に書いたコラム、「LEDビジョンと液晶ディスプレイの決定的な違いとは?」で双方の違いを述べた。
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近年、LEDビジョンの高精細化により、65~120インチ前後のLEDビジョンが液晶ディスプレイに取って代わるのでは?と、期待されている声もある。
今回は、家庭や公共場所などで使用する、65~120インチ程度のサイズに絞り、今回は”色域”について検証しようと思うが、LEDビジョンが液晶ディスプレイに対する優位性を述べたいと思う。
【高精細LEDビジョンの優位性】
1.ドット欠けなどが生じた場合、パネル単位の入れ換えで済み、メンテナンス費用と時間が少なく済む。
※液晶ディスプレイだと全取り替えとなる。2.画面比率のフレキシブルさ
※液晶ディスプレイだと、16:9が基本となるが、LEDビジョンだとパネル単位での倍数で構成が可能。
例えば、120インチの液晶ディスプレイだと、横サイズ2657mm x 縦サイズ1494mmと決まっており、
LEDビジョンの場合、仮にパネル単体サイズが250mm x 250mmだと、120インチ程度に近づける場合、
横10枚(2500mm)、縦6枚(1500mm)となる。
そこで、設置現場のニーズに応じて、横、もしくは縦のいずれかを1枚足す、ということも可能。3.マックス輝度(cd)が高い
※調整することで室内でもある程度輝度を抑えられ、直射日光が入る場所に設置している場合、
輝度を上げることで映像がよりくっきり見える。4.色域が広い
【色域について】
色域とは?
ヒトの網膜の中には錐体と桿体と呼ばれる視細胞がある。
錐体は色覚と明るさ感覚に関係し、桿体は明るさ感覚に主として関係する。
つまり、色を鮮やかに感じるかどうかをヒトはこの視細胞の機能で感じる。
さらに、少し難しい話になるが、可視光線は380nm~780nmという数値で、ヒトがモノを見えるのはこの範囲。
「見える」というのは、主に
・色相
・明度
・彩度
の3つに分けられる。
色相は、「赤、青、黄」といった”色の様相”。
明度は、物体から放射、または反射する光によって認知される視覚に関する心理物理量。
彩度は、色の鮮やかさの度合い、高ければ高いほど目を惹く効果がある。
彩度(色域領域)は、「分光放射輝度計」で測定することが出来る。
【分光放射輝度計】
また、色域には3つの規格が存在する。
・Adobe eRGB
・sRGB
・NTSC
従来はsRGBを基にしていたが、近年高彩度のサイネージが普及したことで、Adobe eRGBを基準としている。
筆者も、独自の研究で「分光放射輝度計」を使ってLEDビジョンと液晶ディスプレイを計測したことがある。
この時に使用した液晶ディスプレイは高彩度のモノではなく、一般的に売られている液晶ディスプレイであった。
その色域領域の違いは以下のとおりであった。(青色のLEDビジョンの三角形がより広範囲)
青線:LEDビジョン 赤線:液晶ディスプレイ
RGB(赤、緑、青)領域をLEDビジョンと液晶ディスプレイで被験者に見せて、色々調査した結果を割愛するが、いずれにしても、LEDビジョンの色域領域は液晶ディスプレイに比べ広い。
これは構造的な違いと言える。
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